アドラー心理学で「勇気付け」子育て

アドラー心理学の「勇気付け」子育て

1 アドラー心理学

一時期大変流行したので、「アドラー心理学」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。アドラー心理学人気は現在も衰えず、書店に行けばたくさんのアドラー関連書籍を見つけることができます。アドラー心理学は、どちらかというと大人用といいますか、サラリーマンのメンタルヘルスと関連して紹介されることが多いように思います。

しかし、アドラー心理学の中には、育児の場面で利用できるエッセンスもたくさんあります。今回は、アドラー心理学の「勇気付け」について、子育てにあてはめてご紹介したいと思います。

2 アドラーの「勇気づけ」

2-1 勇気付けとは

アドラーは、対人関係における重要な態度として「勇気づけ」を挙げています。では、「勇気付け」とはどんなものなのでしょうか?「がんばれ!」と声をかけることでしょうか?

アドラーは、勇気付けとは、相手を尊重して共感する態度であるとしています。つまり、誰かから何かを相談をされたとき、言葉で「がんばれ」とか「君ならできる」などと言うのではなく、相手の目をよく見、心で感じ取り、寄り添う姿勢で聞いてあげることこそが、相手を勇気付けるということなのです。

あなたが何か大変なことや難しいことに立ち向かうときのことを思い浮かべてみてください。確かに「がんばれ!」と声をかけてもらうことも嬉しいですが、周囲の人から見守ってもらっている感覚やできると信じてもらっている感覚を持てることが、自分の自信や勇気につながると思いませんか?

2-2 自己肯定感

そして、勇気付けによって得られるのが「自己肯定感」です。人から信頼されたり、寄り添ってもらったりすると、「自分はその価値があるんだ。」「自分はできるんだ。」と思うことができます。それが自己肯定感です。

そして、子育てにおいても、「自己肯定感」のある子どもに育てることはとても大切です。自己肯定感がないと、「私なんて」という思考に陥りやすく、人から大切にされなくても当たり前だと受け止めてしまうのです。

例えば、お友達から何か嫌なことをされたとします。自己肯定感の育っている子どもだと、きちんと「嫌だ」という感情を持つことができますし、それを声に出して相手に伝えることも可能です。しかし、自己肯定感の低い子どもは、「私は〇〇されても当たり前」という思考に陥ってしまうのです。そうなると、負のスパイラルにより、お友達からの嫌がらせがエスカレートするかもしれません。

3 子どもへの勇気付け

では、具体的にどのようにすれば、子どもを勇気付け、自己肯定感を持ってもらうことができるのでしょうか。

例えば、子どもが「明日のテスト、できなかったらどうしよう。」と心配していたとします。みなさんならどんな声掛けをしますか?

まず、一番ダメなのは、子どもの気持ちをマイナスにする言葉がけです。「勉強してないからきっとダメじゃない。」「点数が悪かったとしても自業自得じゃない?」といった言葉掛けです。親としては、子どもの気持ちを奮い立たせたい一心で厳しい言葉を掛けてしまうことがありますが、これは子どもの心に響きません。

では、こういうのはどうでしょうか。「テストの点数が悪くても死なないから大丈夫よ。」「心配したって点数は変わらないわよ。」といった声掛けです。この声掛けの意図するところは、子どもの緊張や不安を解きほぐすことです。マイナスな声掛けよりはましですが、これでは子どもの気持ちに寄り添うことにはなりません。

「大切なテストだから緊張するよね。でも、頑張って勉強したからきっと大丈夫だよ。それに、一回失敗したって次があるから大丈夫!」というような声掛けはどうでしょうか。まずは、子どもの不安な気持ちに寄り添い、はっぱをかけた上で、失敗しても大丈夫だよというメッセージを伝えます。これならきっと子どもは勇気付けられ、堂々とテストにのぞむことができるのではないでしょうか。

また、話をする際も、キッチンで洗い物をしながら適当に話すのではなく、家事の手をとめ、お子さんの目を見ながら話してあげるとなおいいでしょう。

テストに限らず、子どもは大人が思いもしないことに困難を感じていたり、悩んだりしています。そんなとき、「そんなことぐらいで」と言ってしまわず、まずは子どもの気持ちに寄り添いましょう。その上で、応援したり、ダメでも大丈夫だよというメッセージを後れれば、勇気付けられたことになるのだと思います。

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