子どもの記憶の不思議

子どもの記憶の不思議

今日は、お子さんの記憶力についてお伝えしていきたいと思います。

 1 記憶はいつから?

1-1 新生児からある記憶

まず、記憶といってもいくつも種類があります。「長期記憶」「短期記憶」「エピソード記憶」など、みなさんも聞いたことがあるかもしれません。

それを全部ひっくるめて「記憶」と呼ぶとすると、子どもの記憶はいつからあるのでしょうか。

実は、胎児期から既に記憶があると言われています。
生まれたばかりのあかちゃんに、お母さんとそうでない女性の声を聞かせた場合、脳波の反応に違いが出たという研究があります。

また、子育て経験者の方は聞いたことがあると思いますが、あかちゃんが泣いているときにスーパーのビニール袋を耳元でカシャカシャとやると泣き止むことがあります。
これは、「カシャカシャ」という音が赤ちゃんがお母さんのおなかの中で聞いていた羊水の流れの音に似ているからだと言われています。胎内と同じ音を聞いて安心するのは、胎内の記憶があるということなのです。

こういった初期の記憶は、記憶といっても「懐かしさ」や「思い出」を伴うのではなく、条件反射的な記憶だと言われています。

1-2 幼児の記憶

幼児は、1歳ぐらいになると、「まんま」などの簡単な言葉を話し始めますが、これも一種の記憶なのです。言葉と意味が関連付けられているので、「意味記憶」と呼ばれたりします。

そして、言葉を記憶する能力は、2歳から3歳にかけて大きく発達し始めます。一歳後半で200前後だった語彙が、5歳には3000前後になっているのです。

子どもが話せなくても、お母さんやお父さんがたくさん話し掛けてあげることも大切だと思いますが、1歳後半から5歳くらいまでにかけては、爆発的に語彙が増えますので、この時期にたくさん話してあげてください。

2 エピソード記憶

2-1 エピソード記憶とは

エピソード記憶というのは、出来事に関する記憶を言います。例えば、昨日、保育園であったことを話してくれたとすると、それはエピソード記憶を頼りに話してくれたということになります。一方、「保育園ではね、いつもご飯が食べられた人から遊んでいいんだよ。」と言った場合は、純粋なエピソード記憶ではなく、一般的・習慣的な出来事に関する記憶だと言われています。

2-2 記憶と発達の関係

まずは「まんま」から始まる単純な言葉があり、少し語彙が増えた一語文があり、そのうち「まま、きた」「ごはん、食べる」などの二語文に発展していきます。そして、「ママ、おそと行こう」「〇〇ちゃん、おやつ食べたい。」などと完全な文になっていくのです。

3歳くらいになると、目の前にあること以外についてもお話ができるようになり、先ほどの一般的・習慣的な出来事に関する記憶について語れるようになります。そして、4歳くらいになると、ようやくエピソード記憶ができるとされています。エピソード記憶は、時間の流れや自分と他人の区別、空間の区別、それを語れる語彙などが必要なので、子どもにとっては、実は「高度」な会話なのですね。

3 何気ない会話から子どもの発達を知る

お子さんが小学校に入ると、何気なく「今日、学校どうだった?」なんて聞くことが増えてくると思いますが、それも一種のエピソード記憶です。過去としては近い過去ですが、子どもは学校で体験したことを思い出しながら、話してくれるでしょう。

最初は、「うん?それ昨日のことじゃない?」とか「説明が下手で誰と誰がけんかしたのかよく分からない。」なんてことが多いと思いますが、だんだん説明が上手になり、過去を正しく再現できるようになります。

何気ないお子さんとの日常会話ですが、「あ、今爆発的に語彙が増えてる時期だな。」とか「だんだんエピソードが上手に語れるようになってきたな。」なんて思いながら聞いてみるのも楽しいものです。

 

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